“家庭で昆布出汁の取り方入門:昆布出汁の魅力と昆布の選び方”

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ひと昔前では一般家庭でも「出汁を引く」文化があった家も多いのではないでしょうか? 今では「顆粒出汁」「白出汁」「めんつゆ」の方が馴染みがありますよね。

自分で「出汁をお引く」なんて難易度高すぎ!と思っている方へ、この記事を読んで一度でもいいので出汁を引く機会を持っていただきたいです。

出汁はどんな食材からでも抽出できます。野菜 鶏 豚 果物 なんでも!その中でも「うま味成分」を多く保有している食材が「鰹節」「昆布」この2つを合わせて出来るのが 「和出汁」

日本食(和食)の原点。

■「出汁って なに?」

鰹節のうま味成分イノシン酸昆布のグルタミン酸を掛け合わせることで7倍~8倍のうま味を感じる事が出来ます。これは化学反応で「うま味の相乗効果」と言い、約100年前に日本人が発見したんですよ。

■「昆布の選び方」

次に出汁を引く時の昆布の選び方ですね。

ネットやスーパーにもたくさん置いていますが、何がどう違うかなんて初めて選ぶ方にはわかるはずありません。(笑)

僕もこの業界で働いていなければ知らべる事もしないかな、、、

使う昆布は「利尻昆布」「道南昆布」このどちらかです。

まずは昆布の種類からご紹介します。

大きく分けて4種類

  1. 利尻昆布(陸)(島):北海道の最北で収穫される昆布です。昆布の中でも一番すっきりとした出汁を引くことができます。京料理・千枚漬けなど素材の味を邪魔することなく良さを引き出してくれる昆布です。「陸物」は北海道の稚内や宗谷岬など北海道内で収穫されるもので「島物」は利尻島、礼文島で収穫される物を指します。「島物」の方が肉厚でより上品な出汁になり「香深・仙法志・船泊」特にこの3つの浜で収穫される昆布は高値で取引されます。
  2. 道南昆布:函館近辺で収穫される昆布、肉厚で利尻昆布よりうま味成分を多く保有しています。近年では天然道南昆布の水揚げ量が激減しているため養殖が主流です。尾札部浜で水揚げされる天然道南昆布は天皇献上昆布として有名です。
  3. 日高昆布:北海道最南端で収穫される昆布で実が柔らかく煮炊き物、昆布絞めに使用されることが多いです。価格が安価なためスーパーなどで出汁取り用として販売されていることも多いです。うま味成分が少なく、出汁用には不向きです※北海道産昆布の表記は殆どが日高昆布です。
  4. 羅臼昆布:名前の通り羅臼町周辺で取れる昆布です。どの昆布よりもうま味成分を多く含んだ昆布です。老舗うどん店、高級料亭でも使用されます。昆布自体はが利尻・道南より弱く出汁を引く際に温度調節を間違えると表面の皮がただれる、出汁が濁るなど問題が起こりやすいです。

細かく分けると等級や水揚げされる浜によって味や価格は変わってきます。

初めて昆布出汁を取られる方は目を離して沸騰させても問題なく美味しい出汁の引ける利尻と道南がお勧めです。

■「昆布出汁の取り方」

昆布のうま味を抽出するのに最適な温度は60℃~65℃で1時間と言われています。ぶっちゃけミシュラン掲載店でもこんな取り方をされている所は少ないです。お店によって取り方は様々で昆布の種類、等級によっても違います。

僕がお勧めする取り方

水2ℓ 昆布15g~20g(昆布目安量 水に対して0.7%~1.5%の量)

水30分程水に着けて75℃~80℃で15分~20分に煮出します

家庭用で料理をするときには温度を測る必要ありません。

「鍋から少し湯気が出て気泡が立たない」これが約80℃前後になります。「利尻昆布」「道南昆布」を使用することにより、少し温度が高すぎて沸騰していても問題なく出汁は取れます※あくまでも家庭用の場合

家事、育児、仕事で忙しい主婦(夫)の方は鍋を見ている時間もないと思うので昆布を水に入れ中火で15分放置!!これでも十分に美味しい昆布出汁を引く事が出来ます。

「羅臼昆布」「日高昆布」で沸騰させてしまうと出汁が酷く濁る、昆布の臭いがキツく料理に使うと生臭く感じる事など問題が起こるので注意が必要です。

初めて出汁を取る方に覚えていてほしい事があります。僕は多くの飲食店経営者の方とお店の味を一緒に作ってきましたが、皆さん良い意味で適当です(笑)

水に着けておく時間も日によって違ったり「やり過ぎたー」と沸騰させてしまった出汁を急いで止めて行ったり、温度を図られている店舗の方が珍しいです(笑)

なので皆さんも気軽に一度お出汁を取ってみてください!毎日のお料理がおいしくなりますよ

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