「手軽に美味しい昆布出汁を:外食業界の知識を活かした家庭用 昆布出汁の極意」

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昆布出汁の取り方で理想とされているのが、時間をかけてゆっくりと煮出す方法です。

これは多くの料理屋、うどん、蕎麦、和食料理を中心とした外食店で行われている手法です。
「昆布出汁は沸騰させてはいけない」
「65℃を保ち1時間」
「一晩水に付けて寝かす」

などなど、YouTubeやブログで多く紹介されています。
上記の3つを見るだけでも、常に鍋を監視する必要があり、難易度が高く感じられる方も多いと思います。
結論、昆布出汁の取り方に正解はありません。基本となる取り方はありますが、お店によって様々です。


例えば割烹などで提供される、「お吸い物」では昆布の雑味、磯の香りを出さないように65℃でゆっくり出汁を取る方法が好まれます。


しかし、ご家庭で味噌汁の出汁を取る時にこのようなやり方で、神経を使い出汁を取る必要ありません。※個人的な意見です。


10年間外食出汁業界での経験を踏まえて、皆さんに昆布出汁の手軽な取り方を知っていただきます。
この記事を読んで昆布出汁の第一歩を踏み出してもらえたら嬉しいです!

外食で1番多い昆布出汁の取り方

■水に対して1%の昆布量を準備し一晩漬け込む。少なくとも30分〜1時間

(この作業を行う事で昆布からうま味を抽出しやすくします。)


■強火で水温を65℃〜70℃まであげた後、弱火にします。
※実際温度を測ってるお店は少なく、泡の立ち方、湯気の上がり方で判断されるお店が多い。

■65℃~70℃で15分〜30分


■昆布を取り出し完成!!

(この後一度沸騰させ、昆布の灰汁を取られるお店、沸騰させる事で昆布の香りが飛ぶ事を嫌うお店にわかれます。)

昆布出汁 水出し

昆布出汁を火を使わず取る方法が「水出し」です。

先程紹介した取り方の1番のみで完成です。
水に付けておくだけで昆布から旨味を抽出します。


美味しく澄んだ出汁が取れますが注意点が2つあります。


1. 夏は必ず冷蔵庫で寝かせる
2. 水出しに合った昆布を選ぶ


この2点は必ず覚えておいてください

1.水出しに限らず夏場に冷蔵庫を使わず、外で昆布を水に付けて放置すると水が腐ってしまいます。

白濁し昆布からも滑りがでてくるので注意してください。

(腐らなくても昆布からは多少の滑りがでます。)

2.水出し用の昆布を選ぶ際は、「羅臼」「道南」「利尻」この3つの中から選ぶ事をお勧めします。

「日高昆布」「釧路」「北海道産」など安価な昆布も多いですがこちらの昆布で水出しをした場合、磯の香りが強く出る傾向にあります。昆布水を飲むと健康に良いと聞きますが、この3つで飲むとなると、昔の苦い青汁よりキツいかもしれません。

時短、昆布出汁


始めに紹介した出汁取りのやり方はあくまでも、今まで僕が関わった外食のお客様で多かったやり方です。

共働きが当たり前の時代で、1から出汁を取る時間を捻出する事は難しいと思います。


最後にご紹介するのは“超 時短昆布出汁”です。

まずは昆布の選定が1番重要になります。

「天然利尻昆布」「道南昆布」このどちらかを選んでください。
私は「利尻昆布」をお勧めします
(理由は後ほど)

昆布の選び方を間違えなければ9割は完成です。

最初で最後の工程です。

「昆布を水に入れ、具材と一緒に煮込む」

これで完成です。。。笑

1.水に浸す時間はいりません。
2.温度を気にする必要はないです。
3.煮出し時間を気にする必要はないです。

例)
味噌汁
鍋に水1ℓ、昆布10gを入れる
切った野菜(大根、にんじん、玉ねぎ)を入れ
柔らかくなるまで昆布と一緒に煮込む。
味噌を入れて完成!
昆布は鍋の温度が下がってからとりだします

鍋料理、おでん、肉じゃが、うどん出汁、など「具材と一緒に煮込む」やり方で昆布出汁を存分に抽出できます。

注意点
沸騰温度で45分以上炊き続けると昆布が溶けてしまう加工性がらあります。
「おでん」のように中火、弱火でコトコト長時間煮出すのは問題ありません。

※冷めた鍋から昆布を取り出す事をお忘れなく。

利尻昆布・道南昆布が強火で煮込んでも大丈夫な理由


それは昆布が育つ環境に違いがあります。

羅臼昆布、日高昆布の育つ環境は潮の流れが穏やかな地域で育ちます。
一方、利尻昆布、道南昆布は海流がぶつかり合う地域で潮の流れに抵抗できるように根がしっかりとしています。

プラグトンが豊富な地域で育つ為、肉厚でしっかりとした昆布が育つ傾向にあります。

この2つの違いが最大の理由です。

羅臼、日高の場合、実が薄く柔らかい昆布が多く、出汁を取る温度に注意が必要です。温度が高くなりすぎると昆布の雑味、味「磯の香」「ヌメリ」「渋味」が出るでてきます。

羅臼昆布の出汁は利尻、道南と比べるともともと色が付きやすいのが特徴です。
羅臼昆布は実が弱い為、高温で煮出し続けると昆布の表面が溶けて出汁が濁る原因になります。

日高昆布は紹介した中でうま味成分が1番少ない昆布です。実が柔らかく、昆布巻きなどに使われる事が多いです。

これらの事から、ご自宅で使用される昆布は少しでも手のかからない「利尻昆布、道南昆布」をお勧めします。

昆布出汁を使う事でご家庭の料理をワンランクあげる事ができ、さらに塩、味噌、醤油などの塩分が高い調味料を減らして、満足感のある食事を作る事可能です。

毎日のお出汁で心も身体も健康になって頂けると嬉しいです

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