「出汁の力:日本伝統のスーパーフードがもたらす驚きの健康効果」

出汁は、味噌汁や煮物など多くの日本食にとって不可欠であり、その重要性がユネスコによって無形文化遺産として認定されました。

日本の伝統的な調味料(鰹出汁・昆布出汁)は、海外でも注目を浴び、多くの人が健康に対する関心を寄せています。

ヨーロッパ(特にフランス)では近年鰹を日常的に使う文化が育っています。さらに、摂取されるおかずに含まれる出汁には、水に溶けだしたうまみ成分が豊富に含まれており、さまざまな健康効果が期待されています。この記事では出汁が身体にもたらす効果を探ります

出汁の成分

■昆布:グルタミン酸
昆布に含まれるグルタミン酸は、身体の20%を構成するアミノ酸の一つで、たんぱく質の構築や脳の神経伝達物質として不可欠です。植物性・動物性食材や母乳や羊水に多く含まれ、体の維持に重要な存在です。

■かつお節:イノシン酸
かつお節に含まれるイノシン酸は、細胞の新陳代謝を促進し、細胞の生まれ変わりに欠かせない成分です。魚や肉類に多く含まれており、新しい細胞の生成に寄与します。

■しいたけ:グアニル酸
しいたけに含まれるグアニル酸は、イノシン酸と組み合わさることで「旨味の相乗効果」を生み出します。これが、料理の減塩ができる魅力的な要素であり、現代の食事習慣において重要です。(グルタミン酸×イノシン酸も同様)

現代の食生活では塩分過多の濃い味付けが増え、それが生活習慣病や肥満などに影響を与えています。しかし、出汁の旨味を取り入れることによって減塩料理も満足感を得られます。

人は、より塩分の高い物、糖分の高い物を欲しくなり、悪循環が生まれます。食事をリセットするという意味でも旨味を取り入れる事で物足りなさを感じる減塩料理も、出汁の旨味でおいしく楽しむことができます。

食欲を抑制する

脳内の食欲を制御するヒスタミンという物質が重要です。この物質は直接食べ物から摂取できませんが、かつお節に含まれるヒスチジンが食欲を抑制する効果があると言われています。

ヒスチジンは酵素の作用でヒスタミンに変化し、脳内の満腹中枢を刺激して食欲を制御します。

研究によれば、ヒスチジンを多く含む食品を摂取する人は、1日の摂取カロリーが少ない傾向があります。

脳内で生成されるヒスタミンは、交感神経を刺激して脂肪燃焼を促進し、内臓脂肪を減少させる働きもあるとされています。

食べ過ぎの原因は、太りやすい食事を好むことにあります。

急激なダイエットで味の薄いヘルシーな食事に切り替えるとストレスが溜まり、元の食事に戻りがちです。毎日の食事がコンビニやスーパーの加工食品に頼りすぎると、正常でない味覚になりがちです。

最近の研究では味覚を感じるのは舌だけではなく胃にもうま味を感じる受容体がある事が判明しています。
胃の受容体がうま味物質(グルタミン酸)を受け取ると、うま味の情報は迷走神経を介して脳につたえられます。そして、タンパク質の消化吸収を始める指令が脳から胃に送られます。

この様にうま味は消化吸収に深く関わってる事がわかります。

疲労回復効果

カツオ出汁には、三大アミノ酸として知られるイノシン酸、グルタミン酸が含まれています。カツオは昼夜を問わず泳ぎ続けるそうです。
その特性から酸の分解を促進し、疲労回復を助ける「カツオ・ペプチド」が豊富に含まれています。これにより、強力な疲労回復効果が期待されます。

また、アスパラギン酸も含まれており、このアミノ酸は乳酸を分解する働きがあります。夏バテシーズン、長期シーズン中のアスリートの疲労回復にも効果的だと考えられます。冷えからくる、肩こり、頭痛にも効果があゆと考えられます。

心の安定


お味噌汁、うどん出汁、ラーメンスープを飲むと心が落ち着く感覚を味わった事はないですか?
それには理由があります。特に鰹だしには、緊張感や不安感を和らげ、ストレスを軽減する報告があります。
「気持ちの安定」は出汁に含まれるグルタミン酸が胃の運動を活発化させ、食欲を安定させ、自律神経や精神状態に良い影響を与える可能性があると言われています。

特に昆布に多く含まれるグルタミン酸は赤ちゃんの時から慣れ親しんだ味といえます。
遺伝子レベルで、グルタミン酸を含んだ物を口にすると、気持ちが落ち着くといった現象が起きると考えられます。

カフェインを摂取する習慣がある方は、コーヒーや紅茶、緑茶から出汁に切り替えることで良い睡眠につながるかもしれません。
また、温かい出汁を摂ることで体が温まり、血流が促進され、冷えの改善効果が期待できます。さらに、カツオだしの摂取が血流量を向上させ、肩こりや頭痛の緩和、ストレスや疲労の回復にも寄与すると報告されています。

昆布出汁で血糖値を抑える

昆布には豊富な水溶性食物繊維が含まれ、昆布だしにもこれが溶け出しています。この食物繊維は血糖値の急上昇を抑えたり、脂肪の燃焼を促進したりする働きが期待されます。

昆布に豊富に含まれている食物繊維は、糖分の消化・吸収を緩やかにする働きがあるため、ブドウ糖が過分に血液中に入り込むのを遅らせ、血糖値を調整するのに効果的だと考えられます!

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